「みんなの鎮守の森植樹祭」は東日本大震災で失った鎮守の森を取り戻して、地域の心とコミュニティーの再生を図り、更に鎮守の森が将来「地域を守る森」として新たな役割を担う森へ再生されることを目指して日本財団の地域伝統芸能復興基金(まつり応援基金)の支援を受けて行われたプロジェクトです。
平成26年7月6日、宮城県石巻市の五十鈴神社(千葉秀司宮司)で「みんなの鎮守の森植樹祭」を開催し、タブノキなど23種3,330本を総勢400名で植樹しました。
五十鈴神社は本殿に向かって左手に雄勝湾を臨み、右手と背面を山に囲まれた小高い丘に鎮座しています。東日本大震災では、津波により40軒ほどあった家屋は高台の1軒を残し全て流出。さらに津波は斜面を登って拝殿を破壊しました。
嵩上げ工事が必要なため住宅の再建が許されておらず、現在も多くの住民が仮設住宅や避難先の新居で暮らしています。
津波に流された拝殿は千葉宮司はじめ地域の方々の協力により再建されました。
植樹にあたり、植栽マウンドは丘下の鳥居から拝殿に昇る階段の参道両脇であり、傾斜角度もあったため、足場を設けて参加者が滑落しないような工夫が凝らされました。
植樹祭当日には国指定重要無形文化財である「雄勝法印神楽」が奉納されました。六百年以上昔から山伏・修験者が一子相伝で伝えてきた舞です。震災によって面や衣装のほとんどが失われましたが、保存会の努力と地域の支援により見事復活しました。神楽の奉納は植樹終了まで続けられ終始華やかな植樹祭となりました。
植樹祭終了後、千葉宮司は「神社での活動に携わってくれれば、記憶に残りやすい。別の場所に移られても故郷は変わらない。守っていきたい。」と話されていました。