「みんなの鎮守の森植樹祭」は東日本大震災で失った鎮守の森を取り戻して、地域の心とコミュニティーの再生を図り、更に鎮守の森が将来「地域を守る森」として新たな役割を担う森へ再生されることを目指して日本財団の地域伝統芸能復興基金(まつり応援基金)の支援を受けて行われたプロジェクトです。
平成26年4月6日、宮城県石巻市の伊去波夜和氣命(いこはやわきみこと)神社(大國龍笙宮司)で「みんなの鎮守の森植樹祭」を開催し、タブノキなど23種3,650本を総勢350名で植樹しました。
東日本大震災では、石巻市内だけでも3千人以上の方が亡くなられました。神社が鎮座する大宮町はじめ、松原町、長浜町、浜松町は特に海から近いため押し寄せた津波によって被害が大きかった地区でした。
鎮座地一帯は数百年前からの黒松の森で、その中に神社(明治までは修験の寺院と並存)がありました。漁師は、この森のことを「ヤマ」と呼んで、航海の目印にしていたそうです。震災当時は樹齢300年ほどの松が20本ほど残っていましたが、津波によりすべての松が潮をかぶり、立ち枯れの被害を受けました。
植樹祭当日は渡波(わたのは)地区に伝わる獅子舞、渡波獅子風流(わたのはししふり)が、石巻渡波獅子風流保存会により奉納されました。この獅子舞は、鎌倉時代に発祥したと伝わり、現在は石巻市無形民俗文化財に指定されています。
同神社の大國宮司は「多くの人に神社が支えられているのを実感し、ありがたい。植えてもらった木を大切に育て、森のある神社を取り戻したい」と話されていました。