「みんなの鎮守の森植樹祭」は東日本大震災で失った鎮守の森を取り戻して、地域の心とコミュニティーの再生を図り、更に鎮守の森が将来「地域を守る森」として新たな役割を担う森へ再生されることを目指して日本財団の地域伝統芸能復興基金(まつり応援基金)の支援を受けて行われたプロジェクトです。
平成25年7月7日、宮城県亘理郡の鳥海塩神社(相原たか子宮司)で「みんなの鎮守の森植樹祭」を開催し、タブノキなど21種2,123本を総勢550名で植樹しました。
鳥海塩神社は長徳寺と墓地との間で並んでおり、古くから長瀞地区の信仰、心のよりどころでした。
東日本大震災において、震度6を記録する激震のあとに高さ2m近い津波が海岸から2km 離れている当地まで襲来し、神社は壊滅的な被害を受けました。
この津波によって鳥海塩神社は本殿を残して拝殿が流失してしまいました。また津波の塩害によって社殿を取り巻く鎮守の森は小さなヤブツバキ一株を残して枯死・枯損してしまいました。
長瀞地区は比較的家屋への被害が軽微であったことから、住居の復興・居住についての制限はされませんでしたが、コミュニティの中心であった鳥海塩神社の境内地に緑を復元し、地域の人々の絆を取り戻し、長瀞地区の再生を願い、復興のシンボルとして鎮守の森づくりが行われました。
植樹祭開催前には、隣町の山元町を活動拠点としている創作和太鼓集団の風雲乱打舞(ふううんらんだむ)の奉納がありました。
開会式ではボランティア活動で今回の植樹祭に参加した早稲田大学アメリカンフットボール部から、部員で寄せ書きをしたボールが神社に奉納されました。
また地元長瀞浜婦人会と防火クラブの方が手作りのおにぎりや、屋台で蕎麦などを無料で参加者にふるまうなどして終始賑やかな植樹祭となりました。
同神社の相原宮司は、「このような小さな神社の植樹に、こんなにも多くの人が手伝いに来てくれて、本当にありがたい」と話されていました。