「みんなの鎮守の森植樹祭」は東日本大震災で失った鎮守の森を取り戻して、地域の心とコミュニティーの再生を図り、更に鎮守の森が将来「地域を守る森」として新たな役割を担う森へ再生されることを目指して日本財団の地域伝統芸能復興基金(まつり応援基金)の支援を受けて行われたプロジェクトです。
平成25年4月29日、宮城県亘理郡の青巣稲荷神社(萩野利邦宮司)で「みんなの鎮守の森植樹祭」を開催し、タブノキなど21種2,448本を総勢350名で植樹しました。
青巣稲荷神社はその起源を1,200 年前までさかのぼるほど歴史があり、農業・漁業に加え製塩業も盛んであった花釜地区の中心であり、地区の氏神様でした。
東日本大震災において、当地は震度6を記録する激震のあとに高さ3~5mの津波が襲来したとされています。
青巣稲荷神社は社殿のみならず、隣接する宮司の住居まで境内のあらゆる構造物とほとんどが流失してしまい、ご神木であるタブノキ1本のみが残る状況でしたが、社殿は神社本庁と県神社庁、伊勢の神宮の協力による神宮支援材を用いて再建されました。
植樹祭の開会式では山元町花釜区に伝わる「花釜音頭」の保存会会員20名が震災後初めて境内で踊りを披露しました。また、植樹後には同神社に伝わる法印神楽が奉納されました。法印神楽の保存会は震災によって道具など全てが流失してしまいましたが、文化庁などの支援を受けて、今回震災後初となる奉納に漕ぎ着けました。
同神社の萩野宮司は「立派な森ができそうで、たいへん嬉しく思っています。感謝あるのみです」と語っていました。