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皇室と文化のかかわりを紹介するシリーズの第4弾(最終回)は、皇室の方々の研究を取り上げる。(93号より)

天皇陛下は水問題の専門家
皇室には研究者としての一面を持ち合わせていらっしゃる方も多い。
学生時代より「水上交通」を研究されてきた天皇陛下は「水の専門家」として国際的にも著名で、平成19年に国連の「水と衛生に関する諮問委員会」の名誉総裁にご就任。その後も国連や世界水フォーラムなどで講演を行い、同31年には講演記録を収載した『水運史から世界の水へ』を上梓された。
平成28年に薨去(こうきょ)された三笠宮崇仁(たかひと)親王は古代オリエント史の研究者で、東京女子大学などで「古代オリエント史」をご講義。フランスの「碑文(ひぶん)・文芸アカデミー」やロンドン大学の「東洋・アフリカ研究学院」にも所属されていた。
生物学ご研究の系譜
昭和天皇は昭和4年からイソギンチャクの仲間であるヒドロ虫類の研究をはじめ、『天草(あまくさ)諸島のヒドロ虫類』など9冊の単著を残された。ヒドロ虫類研究以外でも、『那須の植物』など共同研究をまとめた6冊の著書がある。
上皇陛下はハゼ類の分類の研究家として世界的に名高く、平成10年には英国王立協会から、科学の進歩に顕著な貢献のあった元首に贈られるチャールズ2世メダルを初の受賞者としてお受けになった。昭和38年の「ハゼ科魚類の肩胛骨(けんこうこつ)について」以来、30編以上の論文を発表されているほか、『日本産魚類大図鑑』(初版、昭和59年)と『日本産魚類検索―全種の同定―』(初版、平成5年)のそれぞれのハゼ類の項目を共同で執筆されている。これまでに発見されたハゼの新種は10種にのぼる。
昭和天皇、上皇陛下の生物学への関心を引き継がれたのは秋篠宮皇嗣殿下である。学習院大学卒業後の昭和63年(1988)、イギリスのオックスフォード大学に留学し、動物学をご専攻。平成8年には鶏の起源と家禽化についての論文を発表し、国立総合研究大学院大学から理学博士の学位を取得された。皇族初の博士号であった。『欧州家禽図鑑』『鶏と人―民族生物学の視点から』『ナマズの博覧誌』などの共著がある。
常陸宮殿下は学習院大学理学部をご卒業後、約40年間にわたってがんについての研究を続け、発癌および癌生物学に関する多数の論文を発表。平成11年に外国人として初めてドイツがん学会の名誉会員に選ばれた。
また黒田清子さん(紀宮殿下)は山科鳥類研究所で鳥類の研究をされていた。赤坂御用地と皇居の鳥類の研究を行い、『日本動物大百科』のカワセミの項目を執筆されたほか、『ジョン・グールド鳥類図譜総覧』の編集も担当された。
女性皇族方のご研究
平成6年に(公財)結核予防会総裁に就任された秋篠宮皇嗣妃殿下は、総裁として活動するだけではなく、結核について研究を始められた。ご公務や悠仁親王殿下ご出産の間も研究を続けられ、お茶の水女子大学に論文「結核予防の意識と行動について――結核予防婦人会講習会参加者・女子大学生の調査より――」をご提出。平成25年に博士(人文科学)の学位を取得された。
芸術をテーマにされているのは彬子女王殿下と高円宮妃殿下である。彬子女王殿下はオックスフォード大学マートン・コレッジで日本美術史を専攻し、海外に流出した日本美術に関する調査・研究で平成22年に博士号を取得された。帰国後は大学などの研究機関で研究を続けられている。
高円宮妃殿下は根付(ねつけ)の収集家であるとともに根付を研究しており、平成24年、「根付コレクションの研究:高円宮妃コレクションを中心に」と題した論文で大阪芸術大学より博士号(芸術文化学)を授与された。
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