皇室WEB
第27回に引き続き、皇室と動物とのかかわりについて紹介する。(98号より)
皇居・東御苑の二の丸庭園の池では、長いヒレをもつ色とりどりのコイが優美に泳ぐ姿を楽しめる。通常のコイの約2倍の長さの尾ヒレや胸ヒレをもつヒレナガニシキゴイである。このコイはインドネシア産でヒレの長いヒレナガコイと、色鮮やかな日本のニシキゴイを交配させて生まれたもので、ヒレの長さ、色の鮮やかさという双方の特徴をあわせもつ。
実はこのコイは上皇陛下のご発案で作出されたものである。昭和52年、ハゼを専門とする魚類学者として知られる上皇陛下が埼玉県水産試験場(当時)を訪問した際、「インドネシアにヒレの長いコイがいるので、日本のニシキゴイと交配させるとよいのでは」と提案されたのである。
同試験場では昭和55年にインドネシアからヒレナガコイの稚魚50尾を輸入して交配を開始。同57年にはすべてのヒレがニシキゴイよりも長いコイが生まれるようになり、ヒレナガニシキゴイとの名がついた。

上皇陛下は皇居を訪れる人々が楽しめるようにと、これまでに3回にわたって二の丸庭園の池にヒレナガニシキゴイを放流されてきた。3回目となった平成30 年11月19日、上皇陛下は上皇后陛下とご一緒にヒレナガニシキゴイ9尾をご放流。あわせて30尾のヒレナガニシキゴイが泳ぐ姿を見て、上皇后陛下は「仲良く泳いでいますね」と笑顔を浮かべられていた。
ヒレナガニシキゴイは埼玉県生まれではあるが、その故郷は実は皇室なのであった。東御苑を訪れた際は、ぜひ二の丸庭園にも足を運び、ヒレナガニシキゴイの泳ぐ姿を楽しんでいただきたい。
『皇室』98号では、詳しい内容と豊富な写真をお楽しみいただけます
お買い求めは https://www.nihonbunka.or.jp/item/detail/100640