「みんなの鎮守の森植樹祭」は東日本大震災で失った鎮守の森を取り戻して、地域の心とコミュニティーの再生を図り、更に鎮守の森が将来「地域を守る森」として新たな役割を担う森へ再生されることを目指して日本財団の地域伝統芸能復興基金(まつり応援基金)の支援を受けて行われたプロジェクトです。
平成27年6月14日、宮城県多賀城市の八幡神社(鍵三夫宮司)で第11回「みんなの鎮守の森植樹祭」を開催し、タブノキなど25種6,024本を過去最多となる総勢1000名で植樹しました。
かつて八幡神社には約800本のスギで構成される大きな鎮守の森があり、中には直径1メートル超の大木もありました。
東日本大震災によって、同神社も約3メートルの津波に襲われましたが、この森がフィルターとなって、社殿は守られました。しかし、塩に弱い針葉樹のスギは全て枯れ、枯死してしまいました。
神社の周辺は、震災復興計画で復興住宅などの建設が進み、再び住民が戻る所とあって、地域のコミュニティーの場として神社が機能することが期待されます。
植樹祭当日、開会式で多賀城鹿踊りが奉納されました。この多賀城鹿踊りは、八幡神社の境内にある萩原神社に奉納された踊りで、江戸から明治時代に盛んに踊られた芸能です。五穀豊穣、家内安全を祈願する踊りで、現在保存会会員は15人。保存会は平成26年度の多賀城市の市政功労者表彰を受賞しています。
また、声優の小山茉美(こやま・まみ)さんによる、古事記の読み語りも行われました。小山さんは、日本の神話を語り継いで行こうという目的から「イザナミプロジェクト」を立ち上げ、1300年前に書かれた古事記を”イザナミ神の語り”と題して、全国で活動を開始しました。その第一歩として東北復興への願いを込めて、『古事記』の読み語りを奉納していただきました。
神社の周辺地は大型店舗が建ち並ぶ市街地で、イオン多賀城店より駐車場の提供を申し出ていただいたこともあり、約1,000人の参加者に恵まれ、最終回に相応しい賑やかな植樹祭となりました。