「みんなの鎮守の森植樹祭」は東日本大震災で失った鎮守の森を取り戻して、地域の心とコミュニティーの再生を図り、更に鎮守の森が将来「地域を守る森」として新たな役割を担う森へ再生されることを目指して日本財団の地域伝統芸能復興基金(まつり応援基金)の支援を受けて行われたプロジェクトです。
平成27年5月3日、福島県南相馬市の山田神社(森幸彦宮司)で第10回「みんなの鎮守の森植樹祭」を開催し、タブノキなど25種2,970本を総勢500名で植樹しました。
山田神社は、相馬市と南相馬にまたがる「八沢浦」と呼ばれる海を干拓して田んぼにした土地の総鎮守として昭和16年に創建され、その後、相馬市蒲庭の地に移転されました。
しかし、東日本大震災の津波によって、周辺の氏子40戸とも全て流され、46人の方が犠牲となりました。神社のある高台にも津波が襲い、住民や避難した方が亡くなられました。
震災後、縁あり、宮大工の養成コースをもつ熊本県立球磨工業高校の生徒達が製作した社殿が贈られ、元の鎮座地である地にお祀りし、神社と地域の再生復興に向けた新たな取り組みが始まっています。
開会式では福島県の神職による雅楽と、巫女による浦安の舞が披露されました。また、東日本大震災に屈せず、ふるさとを守り抜こうとする福島県民の手で創作された「ふくしま未来神楽」が本植樹祭で初披露されました。
その他、鎮魂の祈りを込めて同神社の鳥居に鳩の絵を描いた絵師「はと」氏が加入する着ぐるみダンスユニット「しでかす おともだち」がいでたちも古着ふうの着ぐるみで、懐かしいメロディーをBGMにダンスを披露しました。
森宮司は開会式の挨拶で「百年、二百年先に残る森をつくり、亡くなった方々の御霊が憩える場所にしていただきたい。みなさんの心を苗木1本1本にこめて、心の森にしてほしい」と語りました。