「みんなの鎮守の森植樹祭」は東日本大震災で失った鎮守の森を取り戻して、地域の心とコミュニティーの再生を図り、更に鎮守の森が将来「地域を守る森」として新たな役割を担う森へ再生されることを目指して日本財団の地域伝統芸能復興基金(まつり応援基金)の支援を受けて行われたプロジェクトです。
平成26年4月27日、福島県いわき市の見渡神社(髙木美郎宮司)で「みんなの鎮守の森植樹祭」を開催し、タブノキなど23種790本を総勢280名で植樹しました。
いわき市金ヶ沢地区は常磐線の土手が二分しており、東側(海側)には10世帯、約30名が暮らしていました。東日本大震災では、津波によって9軒が流され、3人の方が犠牲となりました。
神社も社殿を流失。社叢も桜と銀杏の木を残して失われ、石段なども破壊されましたが、東京・下谷神社の阿部明徳宮司らの協力により仮社殿が設置されました。
植樹祭当日は、いわき市私立久ノ浜第二小学校の太鼓クラブ「黒潮流みつもり太鼓」の奉納演奏がありました。みつもり太鼓は平成9年に「故郷をになう人づくり」を目的に久之浜第二小学校にゆかりのある、和太鼓好きな子供たち30名がつどい結成されました。発足当時は太鼓が一台もなく体育館の床にタオルを敷いたり、壊れたイスを叩きながら練習していたそうですが、現在は多くの方々や団体等から太鼓が寄付され、充実した練習をしています。
福島で初開催となった今回は、県内外から訪れた人の他、同県の神道青年会の会員も応援に駆けつけ、小さな境内は多くの人でにぎわいました。
植樹祭後、同神社の髙木宮司は「津波があらゆるものを飲み込み、被災者の生活再建も道半ばだ。植樹した若木が深く根を張るように、私たちも古里に根を張り、麗しい古里を次代に残していきたい」と話されていました。