「みんなの鎮守の森植樹祭」は東日本大震災で失った鎮守の森を取り戻して、地域の心とコミュニティーの再生を図り、更に鎮守の森が将来「地域を守る森」として新たな役割を担う森へ再生されることを目指して日本財団の地域伝統芸能復興基金(まつり応援基金)の支援を受けて行われたプロジェクトです。
平成25年5月3日、宮城県亘理郡の川口神社(渡邊光彦宮司)で「みんなの鎮守の森植樹祭」を開催し、タブノキなど21種1,811本を総勢250名で植樹しました。
川口神社は河口における船舶の安全な航行を願って建立され、今日まで貴重な民俗芸能を伝える地域の歴史、生活の中心でした。
東日本大震災において、震度6を記録する激震のあとに津波が阿武隈川を逆流し、堤防を乗り越えた波の直撃を受けました。川口神社の本殿は周囲の地盤より1m 程度盛土してあったため倒壊の被害は免れましたが、社務所を含む境内一帯が塩水に浸かってしまいました。
本殿後背地には戦後植栽された樹齢60 年を越えるスギ木立が鎮守の森を形作っていましたが、塩害のためにほとんどが枯死してしまいました。
近隣の荒浜地区は立入禁止区域に指定され、住居の復旧・居住が制限されていましたが、失われた境内林の復活を目指し、また地域のコミュニティの再建を願い、復興のシンボルとして鎮守の森づくりが行われました。
植樹祭開催前には、震災によって大破した後修復された大神輿と子ども神輿が披露されました。開会式では、同神社の渡邊宮司が「苗を植えて成長を見守ると同時に、戦後忘れかけていた日本人の心の苗も一人ひとりの胸に植えましょう」と挨拶されていました。