「みんなの鎮守の森植樹祭」は東日本大震災で失った鎮守の森を取り戻して、地域の心とコミュニティーの再生を図り、更に鎮守の森が将来「地域を守る森」として新たな役割を担う森へ再生されることを目指して日本財団の地域伝統芸能復興基金(まつり応援基金)の支援を受けて行われたプロジェクトです。
沿岸部に位置する亘理町は、大津波により多くの家屋が流されました。神社も何本かの松の木以外は社殿をはじめ全て流失。かつての神社の面影は消えてしまいました。
震災から1年3ケ月、地域の心のふるさとである神社、そして鎮守の森を取り戻して心を繋ぎ止めようと、平成24年6月24日、鎮守の森復活プロジェクトとして「第1回みんなの鎮守の森植樹祭」を宮城県亘理郡山元町の八重垣神社(藤波祥子宮司)で開催し、被災された氏子の方をはじめ学生ボランティアなど約530人が集まり、心を込めて3,238本の苗木を植樹しました。
開会式で藤波宮司は「三百年以上の松の木は倒れ、もう帰ってこないけど、今日はまたその三百年の第一歩。この記念すべき日をこんなに大勢の方と迎えられて嬉しい」と語り、歌手のしらいみちよさんが復興の願いを込めて「浜辺の歌」を奉納されました。
参加者は11ブロックに別れて苗木を植えました。また、境内には総代の手作りのタイムカプセルに参加者が寄せ書きをした色紙が入れられ、津波に堪えた松の木の根元に埋められました。植樹祭後、当財団の田中理事長は「神社の森は故郷の森であり命の森。多くの人が認識しているからこそ、これだけの人が集まった」。藤波宮司は「早く緑いっぱいになって欲しい。みんなが集まる場所、笑って楽しく居られる場所にしたい」と笑顔で語っていました。