日本の伝統精神、文化と切り離すことが出来ない「米作り」を体験して学ぶ「田んぼ学校」を継続開催しました。同学校では稲作体験はもとより、米の歴史や信仰、植物学的な面からもアプローチする米の総合学習をおこなっています。
今回、第3回となった田んぼ学校は和歌山編として平成21年5月31日に田植え、10月3日に稲刈りを和歌山県伊都郡かつらぎ町の丹生都比賣神社(丹生晃市宮司)にて行い、埼玉編として6月20日に田植え、10月10日に稲刈りを熊谷市の古宮神社(茂木貞純宮司)にて和歌山編を行いました。
和歌山県での田んぼ学校は丹生都比賣神社にほど近い水田でおこなはれ、親子約50人が参加しました。
開校式の後、子供たちも手伝って豊作祈願祭が斎行され、引き続き田植えの説明がおこなわれました。昼食を挟んで、神職・早乙女役の子供たちを先頭に圃場へ移動。田んぼのお祓いの後、早乙女の田植えに続いて全員で田植えを体験しました。
同神社が鎮座する天野(あまの)の地は標高400メートルの高原盆地です。田んぼ学校では、清らかな湧水で丹誠込めて生産され、近年ブランド米としても注目されている「天野米」を植えました。
また、田植えの後は、米油工場の見学も行いました。
6月20日には埼玉県熊谷市の古宮神社(茂木貞純宮司)近くの水田で開催され、親子約80人が参加しました。田植えに先立ち、茂木宮司から日本人とお米についての講話があり、火熾し体験もおこなはれました。
10月3日、和歌山編の稲刈りでは、初めて鎌を手にする子供たちが少し緊張気味で稲刈り作業を行いました。鎌の扱いに苦戦しながらも真剣な様子で取り組んでいました。刈り取った稲はそれぞれ積み上げられ、あっという間に黄金色の山ができました。
稲刈りのあとは餅つき大会。「よいしょ!」のかけ声とともに重い杵を懸命に振り下ろし、つきたての餅はきなこ・ずんだで試食。まだ温かくやはらかい餅に子供たちからは笑みがこぼれていましたた。
餅つきの後の脱穀・籾摺り・精米の擬似体験では、子供たちが籾米から白米にするまでのすべてを手作業でおこないました。小さな子たちはなかなか上手にできず、途中でお父さんお母さんが手を貸す場面も。やっとのことでできあがった白米に一同感激の様子でした。
埼玉編は10月に行われました。こちらも稲刈り、餅つき、精米体験がおこなわれ、子供たちの笑顔は終始絶えることがありませんでした。
埼玉編の会場には、田植えの際に配られた田んぼ学校の本『いただきます』の挿絵を担当した宮ひろえさんのイラストが描かれた大きな絵馬が登場しました。
「またここにこれますように」「おひめさまになりたい」「かぞくがけんこうでじこにあいませんように」「野球せんしゅになりたい」――絵馬には稲刈りの後、子供たちがそれぞれ願いごとを書き、豊作感謝祭で収穫したばかりの稲とともに神前に奉納されました。
また、豊作感謝祭では熊谷市の無形民俗文化財になっておる古宮神社獅子舞が地元の子供たちにより披露され、獅子舞の軽やかな演技に子供より大人の方が夢中になっていました。