日本の伝統精神、文化と切り離すことが出来ない「米作り」を体験して学ぶ「田んぼ学校」を開催しました。同学校では稲作体験はもとより、米の歴史や信仰、植物学的な面からもアプローチする米の総合学習をおこなっています。
今回、第11回となった田んぼ学校は平成29年6月25日に田植え、10月1日に稲刈りを熊谷市の古宮神社(茂木貞純宮司)にて行いました。本年も小学生や保護者、國學院大學の学生など約120人が参加しました。
【田植え編】
6月25日、朝からの雨で天候が心配されましたが、参加者が到着する頃には雨もやみ、晴れ間も見える中での開催となりました。
田植え編の開校式では、米作りなどについて茂木宮司や田んぼ学校スタッフがパネルなどを使い子供達にも分かりやすく説明。引き続き同神社で豊作祈願祭が斎行され、忌衣を著けた子供たちが献饌や玉串奉奠を神妙な面持ちで体験しました。祭典では地元の女子小学生4名が舞姫を務める「浦安の舞」も奉納されました。
祭典後には、茂木宮司が集会所にて「日本人とお米」と題して講話をおこないました。 講話では田植え祭の起原や、お米がもつ生命力の強さ、またおむすびの名前の由来はお米の神様と私たちを「むすぶ」からきていることなどの説明がありました。
昼食前には実際におむすびをむすぶ体験があり、子供達は小さな手で一生懸命おむすびをむすんでいました。
午後には神社近くの田圃に移動して田植え体験を実施しました。まず、早乙女と白丁姿の子供達が一列に並んで田植えを行うと、残りの参加者も田圃に入り、慣れない手つきで苗を植えていきました。
参加者は「思ったより泥があたたかくてビックリしたけれど気持ちよかった。」など初めての田んぼに感動する声も聞かれました。
【稲刈り編】
10月1日の稲刈り編は晴天に恵まれ、少し暑いくらいの天候の中、賑やかに開催されました。
開校式に続き、参加者は同神社近くの田圃に移動し、たわわに稔った稲穂を収穫しました。
収穫中、事務局から「植えた時4本だった苗は何本になったか数えてみて下さい」と声がかかると、子供達は15本!や22本!など稲の数を数えながら稲刈りを楽しんでいました。
収穫後にはコンバインによる稲刈りや、束ねた稲穂を乾燥させる「はさかけ」を興味深く眺める参加者も多くいました。
同神社に戻り、昼食の後には、茂木宮司を交えての餅つきも行い、子供達はつきあがったばかりのお餅を美味しそうにほおばっていました。
午後は脱穀・籾摺りなどの精米体験を行いました。精米体験は割り箸で稲穂から籾粒を取り出した後、すり鉢と野球ボールを使って籾殻を取り除き、ビンの中に玄米を入れて棒で突き精米にしていく体験です。
参加者は、大人も子供も夢中で、棒でビンに入った米を突きながら「昔の人は大変だったね」などと熱心に作業に取り組んでいました。
精米体験の後には茂木宮司より11月23日に行われる新嘗祭について講話をしていただきました。この田んぼ学校で取れた稲穂が「懸税(かけちから)」として伊勢の神宮に奉納されるという話には大人も子供も興味津々の顔で聞いていました。
最後に茂木宮司が斎主を務め豊作感謝祭を斎行しました。祭典では午前中に刈り取った稲穂に自分の名前を書いた小さな懸税が社殿前に奉納されました。
その他、収穫した稲と、裏側に寄せ書きした大絵馬が忌衣を着けた代表の子供たちの手から、神前に奉納されました。
帰りのバスに乗り込む際には、豊作感謝祭で奉納された稲を手に記念写真を撮るなど、終始和やかな雰囲気で田んぼ学校は終了しました。
第11回田んぼ学校育成記録
↑↑田植えから稲刈りまでの育成状況の経過を見ることが出来ます。