「四月十日、両陛下は終日宮中の行事に臨まれましたが、後日ビデオで奉祝の集いの様子を御覧になり、このように心のこもった式典を催してくださった主催者、また、主催者を通じ出演の皆さんに喜びと感謝の気持ちを伝えていただければ、とのお言葉をお預かりいたしました。」
宮内庁侍従長 河相 周夫
平成31年4月10日、天皇皇后両陛下の御成婚60年の佳き日に、「天皇陛下御即位三十年奉祝感謝の集い」が国立劇場(東京)に全国各界代表約1800名の参加者を得て開催されました。天皇陛下御即位三十年奉祝国会議員連盟(伊吹文明会長)、天皇陛下御即位三十年奉祝委員会(三村明夫会長)、公益財団法人日本文化興隆財団(田中恆清理事長)が共催。
冒頭、天皇陛下がお好みでいらっしゃるクラシックの中からモ-ツァルト作曲「クラリネット協奏曲第一楽章」が、NHK交響楽団有志と同団主席クラリネット奏者伊藤圭氏により奉祝演奏され、和やかな雰囲気の中で開会されました。
「奉祝式典の部」では、宮本隆治さんの司会のもと、主催者を代表して奉祝国会議員連盟会長の伊吹文明・元衆議院議長と奉祝委員会会長の三村明夫・日本商工会議所会頭が式辞を述べたのち、ご来賓の安倍晋三・内閣総理大臣、大島理森・衆議院議長からご祝辞をいただきました。
続いて各界からは、経済界から中西宏明・日本経済団体連合会会長、学界・医療界から京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授、芸能・芸術界からタレント・映画監督の北野武氏、被災地から東日本大震災被災者で岩手県三陸花ホテルはまぎく社長の千代川茂氏、また海外からは、今年の新年に天皇皇后両陛下からご会釈をいただいた日系ブラジル人・サンパウロ市エバタ高校三年生の宮﨑真優さんらが、御即位30年を迎えられた天皇陛下へ、それぞれ心のこもったお祝いと感謝のご祝辞を述べられました。
続く「祝賀コンサートの部」では、中井美穂さんの司会のもと、音楽プロデューサー・松任谷正隆氏の企画により、MISIAさん、松任谷由実さん、ゆずの皆さんの3グループが奉祝演奏。とりわけ、天皇陛下の御製と皇后陛下の御歌に曲を付けさせていただいた、天皇陛下御即位三十年奉祝曲「御旅(おんたび)」の奉祝曲演奏で会場は大きな感動に包まれました。両陛下の御製・御歌の謹作曲は民間初となりました。コンサートの余韻冷めやらぬ中、結びに、伊藤忠一参議院議長の先導により参加者全員による聖寿万歳で閉式いたしました。
当日の模様は、地上波テレビの実況中継を含めマスコミ各社により広く内外に報道され、会場に参加した関係者のみならず、広く国民の皆さんにも広報周知される行事となりました。
そして後日、奉祝感謝の集いの様子をビデオで御覧になられた天皇皇后両陛下から、宮内庁の河相周夫侍従長を通じてお言葉(上掲)を頂戴しましたので、謹んでご紹介させていただきます。