皇室WEB
第24回に引き続き、皇室と動物とのかかわりについて紹介する。(98号より)
宮内庁車馬課(しゃばか)主馬班(しゅめはん)とは
令和4年12月1日の敬宮殿下の21歳のお誕生日に宮内庁が発表した写真には、敬宮殿下が廐舎(きゅうしゃ)で馬と触れ合うお姿が写っていた。写真が撮影されたのは、皇居の一角にあるその名も宮内庁車馬課主馬班の廐舎である。車馬課は自動車や馬車、馬に関することを担当しており、なかでも主馬班は馬や馬車を扱う。

皇室の行事において馬は重要な役割を担っている。そのひとつに天皇陛下が新たに日本に赴任してきた外国の大使にお会いになる国事行為「信任状捧呈式」がある。新任大使は東京駅から皇居までを往復するが、その送迎は宮内庁が「車か馬車」で行うよう定められている。ほとんどの大使は儀装馬車を用いる。この漆塗りの車体に美しい装飾が施された儀装馬車を曳くのが主馬班の馬である。
また、宮内庁が保持する古式馬術でも活躍する。ポロ競技に似た「打毬(だきゅう)」と、御者が背中に10mほどの吹き流しと呼ばれる布を付け、徐々に伸ばしながらなびかせて走る「母衣引(ほろひき)」である。

名前の付け方のルール
主馬班のほとんどの馬は栃木県にある皇室の牧場、御料(ごりょう)牧場で生まれ、育つ。御料牧場は「皇室の牧場」として、皇室の方々の日々のお食事をはじめ宮中晩餐会や園遊会などに供される牛乳・肉・卵・野菜や、皇室用の馬を生産している宮内庁の施設である。
皇室の馬は一般の馬とは違う特別な能力が必要とされるため、人間に馴れるようにしつけ、適性があると判断された馬が2歳くらいで皇居にやってくる。馬車を曳く輓馬(ばんば)は、体重600〜700キロと重量級で力持ちの「クリーブランドベイ」などの馬種である。
名前は「空勇(そらいさむ)号」(平成5年生まれ)、「草音(くさおと)号」(平成13年生まれ)、「笑智(えみとも)号」(平成18年生まれ)のように、名前の上の文字は生まれた年の「歌会始」のお題から、下の文字は母馬の名からもらうことがほとんどという。
20歳を過ぎると再び御料牧場に戻って余生を送るが、伊勢神宮の神馬(しんめ)となる馬もいる。神宮には内宮(ないくう)と外宮(げうく)に2頭ずつの神馬がおり、「神様が乗る馬」として奈良時代から神前に牽進(けんしん)されてきた。明治2年以降は、神馬が退落(たいらく/死亡)するごとに皇室より贈られるようになり、平成の御代(みよ)には計16頭が神馬となった。神馬は、毎月1日、11日、21日の午前8時頃、神前に牽参(けんざん)する。

また皇室の方々にとって乗馬はおなじみのスポーツで、上皇陛下は学習院高等科時代に馬術部に在籍し、主将を務められた。天皇陛下も幼い頃より乗馬をされており、上皇・上皇后両陛下、秋篠宮殿下、黒田清子さん(紀宮殿下)とご一緒に乗馬を楽しまれている写真が残されている。平成19年(2007)月7月、モンゴルを訪問された天皇陛下は、モンゴル馬に乗ってトレッキングを楽しまれた。
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